2009年08月06日

8月6日のこと

今日は8月6日。

原爆や戦争のコトを考えずにはいられない日ですね。


こちらは昨年NHKの特集で見て、言葉では表現できない哀しみを感じた写真です。




『焼き場に立つ少年』 撮影ジョー・オダネル

8月6日のこと




ワタシは昨年はじめて知りましたが、とても有名な写真だそうです。


  *   *   *

もうすぐ終戦記念日。おばあちゃんと黙祷した夏休みを思い出します。

支離滅裂な文章になってしまいましたが
この日のことを忘れないように記しました。



追記に、オダネル氏がこの写真をアメリカ空爆調査団のカメラマンとして撮影したときの回想インタビューからの引用を記しています。





佐世保から長崎に入った私は、小高い丘の上から下を眺めていました。すると白いマスクをかけた男達が目に入りました。男達は60センチ程の深さにえぐった穴のそばで作業をしていました。荷車に山積みにした死体を石灰の燃える穴の中に次々と入れていたのです。

10歳ぐらいの少年が歩いてくるのが目に留まりました。おんぶひもをたすきにかけて、幼子を背中に背負っています。弟や妹をおんぶしたまま、広っぱで遊んでいる子供の姿は当時の日本でよく目にする光景でした。

しかし、この少年の様子ははっきりと違っています。重大な目的を持ってこの焼き場にやってきたという強い意志が感じられました。しかも裸足です。少年は焼き場のふちまで来ると、硬い表情で目を凝らして立ち尽くしています。背中の赤ん坊はぐっすり眠っているのか、首を後ろにのけぞらせたままです。

少年は焼き場のふちに、5分か10分も立っていたでしょうか。白いマスクの男達がおもむろに近づき、ゆっくりとおんぶひもを解き始めました。この時私は、背中の幼子が既に死んでいる事に初めて気付いたのです。男達は幼子の手と足を持つとゆっくりと葬るように、焼き場の熱い灰の上に横たえました。

まず幼い肉体が火に溶けるジューという音がしました。それからまばゆい程の炎がさっと舞い立ちました。真っ赤な夕日のような炎は、直立不動の少年のまだあどけない頬を赤く照らしました。

その時です、炎を食い入るように見つめる少年の唇に血がにじんでいるのに気が付いたのは。少年があまりきつく噛み締めている為、唇の血は流れる事もなく、ただ少年の下唇に赤くにじんでいました。

夕日のような炎が静まると、少年はくるりときびすを返し、沈黙のまま焼き場を去っていきました。



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Posted by sweetooth at 22:46│Comments(4)ひとりごと
∴ この記事へのコメント
この写真、私も初めて拝見しました。

写真にまつわるエピソード。読んだだけで目には暑いものがこみ上げてきてしまいました。

繰り返してはいけない問題。忘れてはいけない問題。
我々は戦争を知らない世代ですが、身につまされる思いです。
Posted by あきぽぴあきぽぴ at 2009年08月07日 00:03
写真にまつわるエピソードをよんで、泣けてきました。
少年の堅い表情が、焼きついて離れません。

数年前に広島の原爆ドームを訪れた時の衝撃と、「風化させちゃいけないな・・」と感じた気持ちを、思い出しました
Posted by しろねこ at 2009年08月07日 13:00
*あきぽぴサマ^^

ワタシもこの写真についてのエピソードを読んだ時
本当に胸が苦しく、切ない何とも複雑な気持ちでした。

本当に忘れてはいけないし、繰り返したくない事ですよね。

未来の世界中が平和であって欲しいですね^-^
Posted by sweetoothsweetooth at 2009年08月07日 21:00
*しろねこチャン^^

広島の原爆ドーム行かれたのですねぇ。

こんなに小さな子供の命まで奪われてしまったコト
本当に風化させてはいけないコトですね。

今月は祖父が戦死した月です。
おばあちゃんの話をじっくり聞いてみようと思いマス^^
Posted by sweetoothsweetooth at 2009年08月07日 21:12
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